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高森明勅
2020.8.28 06:00政治

悠仁殿下がお1人になってしまう

先日、読売テレビの「そこまで言って委員会NP」の収録に臨んだ際に、
皇位の安定継承を巡る議論の中で、私に対して少し興奮気味に、
「あなたは予言者でもないのに、悠仁殿下が男子に恵まれないと
決めつけるんですか!」と罵倒された、著名なジャーナリストの方がいた。

私は「男子に恵まれるかどうか以前に、結婚できないかも知れないと
心配しているんです」という答え方をした。
今のまま皇室典範の改正に手を着けなければ、内親王・女王方は皆様、
ご結婚と共に皇族の身分を離れて、国民の仲間入りをされる。

天皇陛下の“次の世代”では結局、秋篠宮家の悠仁親王殿下
ただ「お1人」だけが皇室に残られることになる。
しかも、殿下のご結婚相手は、必ず“お1人以上”の「男子」を生まないと、
皇室そのものを滅ぼす結果に繋がる。
その女性には、想像を絶する“強烈な”プレッシャーが掛かるに違いない。
そんな将来が、今から容易(たやす)く予見できてしまう場合、
敢えて悠仁殿下とのご結婚に踏み切る決断をできる女性が、
果たして現れるかどうか。

リアルに考えると、いささか悲観的にならざるを得ない。
万が一にも、悠仁殿下が独身を通された場合、改めて言う迄もなく、
皇室の歴史はそこで終わる。

極めて憂慮すべき問題が、我々の“目の前”に横たわっているのだ。
にも拘らず、悠仁殿下のご結婚を既定の事実であるかのように楽観視し、
お1人以上の男子が生まれない“はずがない”と、気楽に信じ込める感覚が、
私には理解できない。ちなみに、そのジャーナリストの方は
左翼・リベラルをドリーマー(夢想家)と非難し、自らをリアリスト
(現実主義者)と規定しておられるようだが。

河野太郎・防衛大臣の深刻な危機感は、もっと広く共有されるべきだ。
なお、河野大臣の発言の直後、ロシアの通信社「スプートニク」から
関連の取材を受けた。
このテーマについては、海外の関心も高い。
又、女性議員飛躍の会編『皇位継承 論点整理と提言』(展転社)の
増刷(ぞうさつ)が決まったらしい。
“初めて”校正の機会を与えられた(前に言ったように、初刷〔しょずり〕
の時は信じ難いことながら、初校すらチェックさせて貰えなかった)。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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